How to use Mendeley


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■ Mendeleyの使い方




 ● 総目次


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■ Mendeley


「Mendeley(メンデレー)」は、学術論文の管理とオンラインでの情報共有を目的としたフリーウェアの文献管理ツールである。

クロスプラットフォームで、Windows、Mac、Linux、に対応するデスクトップ版(いわゆるPCクライアント型ソフト)と、インターネットでどこからでもアクセス可能なWeb版とを組み合わせて利用できる。むろん、無料である。
最近、iOS(iPadやiPhone)にも対応し、世界中で約300万人のユーザに利用されている。
残念ながら英語版のみで、日本語化されていないが、ユニコード対応なので日本語文献も扱える。

なお、Mendeley社は、2013年に世界で最大の学術情報コングロマリットたるエルゼビア社に買収された(とはいえ、業務提携はその数年前から行っていて、敵対的買収などではない)。だが、初期の開発者のオープンソースの志はそのままに、ユーザはこれまで通り、無料で使い続けることが出来る。さらにエルゼビアは「フリーミアム」(=基本的な製品やサービスは無料にして、付加価値を有償で提供するビジネスモデル)で、クラウドのストレージの拡充やグループ研究者の増員などを追加料金で使うようになっている。基本無料はそのままなので、安心して使っていいだろう。

これまで、有料の同種のツールとしては、クライアント+クラウド両立の「EndNote」や、クラウド型の「RefWorks」が主流だったが、これらの有料ソフトは、個人ユースは高額に過ぎるし(EndNoteは学生版アカデミック価格でも3万近い)、大学によっては一括導入して学生や研究者に無料で使わせているところもあるが、これだと、特にクラウド型のツールは、卒業ないし転勤したら即、アカウントが失効し、蓄積データが消滅するという致命的な難点があった。
(参考までに、慶応大が学内向けに作成した各種DBツールの比較表があるので、披見されたい>「文献管理・論文作成支援ツール比較表」

他方、それらの受け皿的な意味での、クライアント型、すなわちデスクトップ版のみのツールとしては、過去に紹介してきた「文想」「Ref for Windows」などがあったが、前者はサイトを閉鎖し、後者はサイトは現存するが、制作者はすでに開発の中止をアナウンスしており( 2010.01.18 updated)、先がない。海外製品で高評なのは「Papers3」などがあるが、日本語対応に難点があり、ネイティヴなみに全ての論文を英語で書くような高度な研究者以外、使い勝手がよくない。
しかも、困ったことに、筆者が見たかぎりでは、上記2つのソフトの後継機種として、日本製の代替ソフトには、これといった優秀なものが未だ見当たらないのが現状である。「文想」も「Ref for Windows」もよく出来たソフトだっただけに残念というほかない。

対して、Mendeleyは、英語版とはいえ、類似のツールを使っていれば、直感的に使い方は判るし、また、RefWorksなどが、二次資料の整理が主体だったのに対し、2008年にベータ版がリリースされた後発のために、電子ジャーナル(PDF)など一次資料を直かに扱う設計思想となっており、PDFを取り込むと同時に、書誌データが作成されるなど、有料ツールに比しても遜色ない仕様で、次世代文献管理ツールとして、たいへん優れている。
これまで、文献管理上、一次資料はカサが張るため、デスクトップ型のDBソフトを利用しつつ、一次資料は「Evernote」や「Dropbox」などのオンラインストレージに上げておき、それを出先でも利用する、といった使い方があったと思われるが、そのクラウド型の利便性も含めて、固有の資料が一元的に1つのツールで管理されるにこしたことはないだろう。
Mendeleyは英語版ゆえ、メニュー等は英語表記だが、以下の簡単なマニュアルに従って操作すれば、大学の研究者なら、おおまかなことは判ると思われる。論文作成支援ツールとしては第一級のものなので、ぜひ、試してもらいたい(最終ページの末尾にネットで得られる参考文献を上げておいたので、参照されたい)。

また、Mendeleyの対抗馬として、「ReadCube」という無料の文献管理ツールも最近、急成長している。「Nature」グループ誌では、同誌のWebリーダの1つに、このReadCubeを採用した。
しかも、どちらか一方だけを選ぶのではなく、2つを合わせてのコンボ技も使える由である。ここではMendeleyしか略述する余裕がないが、試しに使ってみられるとよいかも知れない。

なお、ここで云う「一次資料」とは、いわゆる「原著論文」を指す。
対する、「二次資料」とは、それらの論文がどの雑誌に掲載されたかといった「書誌情報」のことで、それを蓄積・集積したデータベースがある。特定主題についての論文が、いつ誰によってどの雑誌(何年何巻何号何頁か)に書かれたかを知るためのデータベースである。
もとより論文はオリジナリティが重要だが、どんなに優秀な研究者であれ、過去の先達が書いた文献を参照せずに自分の論文を書けるはずもないし、そもそも引用文献の「品質」はその論文自体の価値を左右する大切なものだ。
二次資料のオンライン・データベースは、各ジャンルごとにいくつかあるが、最も代表的なもの、かつ最も優れた機能をもつものとしては、医学分野において、米医学図書館が無料で提供している「PubMed」が世界的に著名である。これは過去に、「Medline」として有料で提供されていたものと同一の書誌データであり、現在はプレプリント版(紙媒体で刊行される以前の版、または紙媒体では公開されないものも含む)までをも網羅している。

近年、特に理系、それも医学系・生命科学系の研究者には、電子ジャーナル(e-Journal)が身近かなものとなっており、大学図書館に足を運ばずとも、自分の研究室に居ながらにして、しかもまだ刊行前のプレプリント版のe-ジャーナルさえPCからダウンロードできる、といった状況がある。在籍している研究環境しだいだが、最新の認証システムがある大学では、自宅や出張先からでさえ、リモートアクセスして、PubMedで検索した資料をシームレスで、学内の電子ジャーナルへのリンクが作成されていて、リンク先に跳ぶだけで、ダウンロードや披見可能、といった環境もある。

とはいえ、それらの電子ジャーナルの対価は莫大なもので、国際的なコングロマリット化したアグリゲータと呼ばれる業者がパッケージで提供する、それら電子ジャーナルの料金支払いには、国立7大学でさえ、その年々増加する予算計上に汲々としているのが現状だ。むろん、学外からの認証システムも、大学のインフラ次第であり、情報は断じて無料ではなく、大学間格差が顕著に現れる一例といえる。
恵まれた環境にあれば、研究室や自室から、居ながらにして、そうした電子媒体でジャーナル購読が可能となるが、さほど恵まれていない場合は、二次資料はなんとかなっても、一次資料は図書館の相互利用係(レファレンスサービス)で文献複写サービスを利用してコピーを入手といった形になる。

もとよりデータベースも電子ジャーナルも、発達しているのは、理工系に特化しており、文系の分野は遅れているのは否めない。
しかしながら、筆者が「文想」のマニュアルを記した時、参考にした九州大学法学部の院生の某君のように、文系であっても文献管理ツールやDBを活用している人はいるし、法律や経済の分野でのデータベースを備えた大学もある。大学図書館のサイトを見て、使えるデータベースの有無を一度、調べてみるといいだろう。

代表的なデータベースとして、たとえば、「Web of Science」などは、自然科学だけではなく、社会科学分野の文献の引用率(Citation Index)の検索が可能で、引用率が高い文献=優れた文献、ということで、求める主題で読むべき論文を選択することができる。
近年、「開かれた大学」として、大学図書館でも一般市民への公開が原則なので、頂点を国会図書館とする他館の所蔵する資料でも、文献複写など相互利用サービスは可能である。ぜひ利用されたい。

また、近隣最寄りの公共図書館でも、独自にデータベースの契約をしている館もあるはずなので、手をつくして、そうしたものを調べることも現代の研究者としては必須のスキルともいえる。現在では、国会図書館を頂点として、公共図書館は横断的に所蔵検索が可能であるから、最寄りの図書館にない資料でも、相互利用サービスで取り寄せることが出来る。恵まれない環境でも、そうしたサービスの利用は可能なので、嘆く前に調べてみることを推奨する。

しかし、ここでは、一応、電子ジャーナル(PDF)が入手できるという前提で話を進める。
以下に述べる文献管理ツール「Mendeley」が、すでに電子化された文献を前提にしているからだ。
従来の、これら文献管理データベースソフトは、扱う量的限界から、主に二次資料を対象としていたが、最近では、HDDの大容量化、またクラウドの発達などもあり、PDF化した一次資料(電子ジャーナル)をそのまま取り扱えるようになった。DBソフトで二次資料を検索して、さらに別途、ファイリングされた一次資料を当たる、といった形態から、直接、一次資料をDBソフトに取り込み、シームレスにそれを管理できる環境が整った、といえるだろう。
紙媒体でコピーした文献でも、最近のスキャナには、たいてい付属するソフトで透明テキスト付きPDF化できるので、文献の整理や管理に際しては、できるだけ一次資料も電子化しておいた方が便利である。HTMLだけで提供されている文献でも、ブラウザにアドインされた無料のPDFツールを使えば、簡単にPDF化できる。

文献整理や管理だけではなく、これらは、論文作成支援ツールとしての、「Wordとの連携」(Wordへ、参考文献の一覧を挿入する機能)なども簡単に行えるので、従来のツールと同様に、論文作成の得がたい味方となる。現在、ほとんどの論文作成は、Wordが主流だと思われるので、この機能の有無は、論文本文を書き上げた後の、引用文献一覧(References)を作成する手間を大幅に軽減してくれる時に、真価を発揮する。

また、RefWorksなどにもあった「グループによる情報共有機能」も備えており、班を作ったりしてグループで研究を進めている場合、他の研究者との共同研究にも文献データの共有など利便性が高い。

以上の条件を鑑みて、すでに紹介してきたデスクトップ型のフリーのツールから、または、有料のRefWorksやEndNoteなどから、Mendeleyへの乗り換えは、選択肢として、悪くないと思われる。
むろん、新規ユーザとして、これから論文作成をする研究者の方にも、お奨めのツールである。

では、Mendeleyの使い方、特に、Web版へのアカウント新規作成やデスクトップ版のインストールなどについて、以下、略記する。

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 アカウント作成

Mendeleyサイトhttp://www.mendeley.comにアクセスする(下図参照)。


赤い矢印で示した「Create a free account」をクリックすると、下図のような画面になる。
「First name」「Last name」、「電子メールアドレス」「パスワード」を入力する。
(注:学生の方で、大学から電子メールアカウントを配布されている人は、ついそのメアドを入れてしまうことが多いが、これは卒業と同時に失効するので、出来れば、最初から普段、使っている個人的なPCメアドを入力した方がよい)

なお、パスワード保護は、学部学生の学位論文程度なら、プライオリティを云々するほどのことはないだろうが、最先端の研究分野であれば、その研究者がどんな文献を読んでいるか、それだけで研究内容などが他人に判ってしまう畏れもある。立場を考えて、各々、セキュリティに考慮されたい。


下図は、筆者が入力した例である(個人情報はマスクしている)。
必要項目を入力したら、下の緑の枠の「Get started」をクリックする。


次のプロフィール画面に展開する。
「専攻分野」と「身分」を入力する。
ドロップダウンメニューで主要なものは用意されているので、それから選ぶ。
(筆者は選択肢にないLibrarianとしているが、大半は、Student(学生)その他の教官と選択肢にある身分でOKだろう)


最後に「Finish」ボタン押下する。
これで、自動的にPC用のクライアント用のソフトがダウンロードされる。


なんらかのメッセージ(ユーザアカウント制御などの)が出たら、「(ファイルの)保存」を選ぶ。



 デスクトップ版のインストール

保存先は、Windowsユーザなら、デフォルトでは、C:\Users\[アカウント名]\Downloads のはずだが、下図は、そのフォルダを開いたところである。


そのまま「実行」(クリック)すると、インストールが始まる。


インストールが終わると、下図のような画面が起動する。
これがMendeleyのクライアント(デスクトップ型)のソフトである。

「電子メールアドレス」と「パスワード」は、先ほど、Web上で登録したものを入力する。
これらのログイン名とパスワードは、デスクトップ版のクライアントソフトと、Web版の両方に共通するので、留意されたい。


入力したら、右下の「Sign In」をクリックする。


最初に起動した時は、EndNoteやRefWorksなど、他の文献管理ツールからのインポートが案内される。
だが、これは後でも出来るので、「Skip」してよい。


「Skip」する。


「Skip」する。


そして、やっとMendeleyのメイン画面となる(下図)。
下図は、しかし「Welcome」画面で、一度だけ出るもので、貯まっていた文献があれば、ここにドラッグすれば蓄積される。


だが、Mendeleyの大半の機能は、次の3ペインで分割された文献表示画面で行われる(下図参照)。
赤字で印したペイン(1)が作業メニューであり、(2)が個々の文献一覧、(3)が、(2)で選んだ文献の詳細画面である。
インタフェースはMacのFinderに似た印象の設計思想である。初期開発者は大学の研究者だったから、そのせいかも知れない。
なお、これはデスクトップ版のMendeleyであり、他にWeb版のそれがある(後述)。


また、一度、デスクトップ版のMendeleyを終了させたら、デスクトップに、下図のようなアイコンが作られているはずである。
次回からは、これをクリックして起動する。


なお、終了はメニューバーから「File」のドロップダウンメニューの「Quit」で終了する(下図)。
(しかし、デスクトップ版Mendeleyを終了させても、「Sign out」しない限り、ログインは切れないので、留意されたい)


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 他のツールからのデータ移行

Mendeleyでは、他のツール(RefWorksやEndNote)からのデータ移行(インポート)が可能である。
これによって、たとえ卒業や転勤で以前の有料ツールのアカウントが失効しても、大事な研究データだけは、新たにMendeleyへと移行できる。

ここでは、まず筆者が現行ユーザである「RefWorks」を例にする。
下図が、RefWorksのログイン画面である。


メニューの「レコード」からドロップダウンメニューあるいは、下図のように、サイドバーから「エクスポート」を選択する。


「レコードをエクスポート」ダイアログボックスが表示される。
まず、移行対象レコードとして「すべてのレコード」にチェックを入れる。


さらに、レコードの種類を、「Select an Export Format」のドロップダウンメニューから「RefWorks XML Format」を選択する。
そして、右下の「⇓ レコードをエクスポート」ボタン押下。
(この間に、エラーが発生することがあった。その場合、元にもどって、もう一度やる)


別画面で、エクスポートデータ(テキスト)が表示される。


この全てを、CTRL + A で全範囲指定し、CTRL + C でコピーして、エディタに、CTRL + P でペーストする。
(Macユーザは、CTRLキーをコマンドキーに読み替えてもらいたい。これらのショートカットキーの利用はPCユースウェアを高める)

この時点(ブラウザ表示)で、日本語文献の箇所が文字化けすることがある(EndNote用のXMLなど)。
その場合は、ブラウザの表示メニューから、「エンコード」項目を選び、然るべき文字コードにすると文字化けは直る。
ちなみに、Mendeleyでは、Webページなどからの取り込みの際、デフォルトの文字コードはUTF-8なので、できればUTF-8にした方がよい(現在、インターネットでの文書は、9割方はUTF-8が使われている)。

なお、筆者の使っているWZエディタ8は、デフォルトの文字コードはUTF-8で、さらに自動判別でEUC文書ならEUCでエンコードして取り込むから問題はないが、一般的にいって、和英混雑のXMLデータは、Shift-JISなどではたいてい、文字化けする。ユニコード(UTF-8ないし、EUC)にするにしくはない。
日本で最多ユーザを誇る秀丸エディタでは、デフォルトがShift-JISなので、あらかじめ、メニューバーの「その他」>「動作設定」>「ファイル」(展開メニュー)>「エンコード1」>「標準のエンコードの種類」項目を開き、デフォの「日本語Shift-JIS」を「ユニコード(UTF-8)」に変更しておく。
秀丸にも自動判別機能はあるが、こうしておくにこしたことはないだろう。

RefWorksであれ、Mendeleyであれ、英語圏で生まれたツールはユニコード標準だから、これはもう仕方ないと思った方がいい。
英語文献しか利用しないのであれば、別だが、日本語文献も雑じえて使うのであれば、文字コードの問題は看過できない。
もし自動判別が出来ないエディタでは、あらかじめ文字コードを指定して、ペーストし、保存するとよい。

(間違っても、文献管理で、Wordなど使わぬことである。まだメモ帳の方がマシである。できれば、テキストエディタを使って貰いたい。こうしたデータ処理は、内容と関係なく、「文字列をデータとして扱う作業」であり、その際、文字コードは重要な問題である。テキストエディタは文字列をデータとして処理することに特化したライティングツールだから、このような作業に最適化されている。留意されたい)

筆者がRefWorksに取り込んだデータは、みな、二次資料だが、一応、日本語と英語文献の交雑箇所を表示すると――、


TY  - JOUR
ID  - 53
A1  - MenshikovIgor
A1  - BedulevaLubov
T1  - 自己免疫性溶血性貧血の誘導におけるイディオタイプネットワークの役割を支持する根拠
 理論的及び実験的研究
Y1  - 2008
Y2  - 02
VL  - 20
IS  - 2
SP  - 193
EP  - 198
KW  - Coombsテスト
KW  - Immunoglobulin Idiotypes
KW  - 自己抗体
KW  - 赤血球
KW  - 貧血-溶血性-自己免疫性(実験的,病理学)
KW  - 理論モデル
KW  - MRL lprマウス
KW  - マウス
KW  - 動物
AB  - マウスの自己免疫性溶血性貧血(AHA)モデルを用いてラット赤血球(RE)に対する抗体及び
マウス赤血球に対する自己抗体の形成動態を調べ、AHAの実験条件を免疫ネットワークの数学
モデルによりシミュレートした。自己抗体と抗RE抗体の産生ピーク時期は一致しなかった。
自己抗体産生のピーク時の抗血清は抗体との結合でREと競合したことから、赤血球に対する
自己抗体とREに対する抗体がイディオタイプ-抗イディオタイプのペアを成すことが示唆された。
自己免疫反応では抗イディオタイプ性の自己反応性クローンが外来抗原に反応するクローンよりも
先に応答した。免疫ネットワークの数学モデルを用いて自己免疫反応の速度論を実験による
AHA動態と比較し、両者の一致を認めた。実験的AHAにおける赤血球への自己反応性クローンの
活性化はREに反応するクローンとのイディオタイプ-抗イディオタイプ相互作用を介すると考え
られた。
JF  - International immunology
JA  - Int.Immunol.
SN  - 0953-8178
AD  - ロシア
M1  - Journal Article
ER  - 

TY  - JOUR
ID  - 47
A1  - Moller,G.
T1  - Niels Jerne 1911-1994
Y1  - 1994
Y2  - Dec
VL  - 142
SP  - 5
EP  - 7
KW  - Allergy and Immunology/history
KW  - Denmark
KW  - History, 20th Century
KW  - Nobel Prize
KW  - Portraits as Topic
KW  - Switzerland
N1  - LR: 20071115; PUBM: Print; JID: 7702118; PS: Jerne N; ppublish
CY  - DENMARK
JF  - Immunological reviews
JA  - Immunol.Rev.
SN  - 0105-2896
M1  - Journal Article
ER  - 

――このように英文と日本語とが「キチン」と雑じっているのが判るだろう。文字化けもしていない。
(上記は、HTMLの<pre>タグ使用につき、改行をいれている)

各行冒頭部分の「TY」とか「ID」などの「Tag(タグ)」が文献管理上、データ移行では最も重要なポイントで、異なるツール同士で、データ移行(エキスポート/インポート)出来るのも、この「タグ」が一致しているから可能となるのだ。
「文想」時代に、PubMedがこのタグの仕様を変更したために、データ取り込みが一時、出来なくなったことがある。有料ソフトのEndNoteでも、一時期、そうした不具合があったと記憶する。もともとタグはデータベース提供側の都合で決まっており、システム改善のために仕様が変わっても、それを利用する側では文句が付けられないので、こちら側の仕様変更をするしかない。

ことほどさように、この「タグ」はデータ管理上、重要な意味を持っている。
特に冒頭部分はデータの切れ目でもあるので、欠けることのないよう留意されたい。

これを、拡張子「.ris」で、適当なファイル名(「refworks2015.ris」など)を付けて「テキストファイル」に保存する。

この際、Windows標準の「メモ帳」などでは、デフォルトの「テキスト文書」で保存すると、自動的に拡張子が、「~~.ris.txt」になってしまう。これだとインポート時にエラーとなる。拡張子は、後でリネームも可能だが、保存時に、「ファイルの種類」を「すべてのファイル」に変更してすると、拡張子「.ris」で保存できる。留意されたい。

ついで、デスクトップ版のMendeleyから、上でエクスポートしたデータをインポートする。

メニューバーの「File」のドロップダウンメニューから「Import」を選び、さらに「RIS」を選ぶ(下図参照)。


選択ファイルをフォルダから選び、「開く」ボタン押下。
自動的にデータがインポートされる。


下図が、RefWorksのデータを取り込んだ画面である。
特定のデータをクリックすれば、右のサイドバーに詳細な書誌事項がRefWorksと同様、表示されることが判る。
データのインポートは成功したわけである。


ついでながら、筆者はそのユーザではないが、「EndNote」での事例も記しておく。

EndNoteの「File」メニューから「Export...」を選択する。
「Export file name:」ダイアログボックスでファイルの種類として、「XML」を選択する。
任意のファイル名を付けて、「保存」をクリックする。

Mendeleyに移り、以下は、上記「RefWorks」の場合と同様でインポートする。

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■ Mendeleyへの文献の追加


他のツールからの乗り換えではなく、新規にMendeleyを使う場合は、最初からデータを取り込まねばならない。
そのための便利なツールも含めて、Mendeleyにおける文献データの追加について記す。


 Web Importer の設定

以下は、いわば文献収集の前処理だが、わりと重要なので、先に記しておく。

Mendeleyには、「ウェブインポーター(Web Importer)」という機能があり、これを使えば、Google ScholarやPubMed、CiNii(NII=国立情報学研究所のDB)などの主要なデータベースサイトから、検索結果を丸ごと、Mendeleyに取り込むことが出来る。

まず、Web版のMendeleyにログインし、「Web Importer」ページ(=http://www.mendeley.com/import/)に移る(下図参照)。


「How it works」の下に「1.Drag the "Save To Mendeley" button to your bookmarks toolbar」の表記があり、その下に、「Save to Mendeley」の灰色の楕円バナーがある。

このバナーをカーソルで固定し(カーソルの形状が変わる)、そのまま、自分のブラウザのツールバーにドラッグ&ドロップする。
すると下図のように、ツールバーに「Save to Mendeley」が追加される。

あとは、任意の検索結果画面で、これをクリックすれば、自動的にMendeleyにデータが取り込まれる。


 文献の追加(Web版)

では、普通に文献を追加する方法を記そう。
まず、Web版での追加である。
Web版Mendeleyにログインしておき、それとは別タブでPubMedサイトを開いておく。
ここではテーマとなっている免疫学のタームである「イディオタイプネットワーク(idiopathic network)」について検索する。

検索結果から、1つ、2014年の比較的新しい文献(下図)を選び、これを追加する。


PubMedは二次資料データベースサイトだから、書誌事項と抄録しか載っていないが、文献としては申し分ない。

念のため、付言しておくと――、
どのような研究であれ、最初は読むべき必須文献が何かは不明のはずである。というか、判っていたら苦労はない。
だから、まず、研究テーマに見合ったキーワードで該当するジャンルのデータベースを検索し、資料一覧を作成し、その後、どれが重要な文献か確認して、紙媒体なりPDFなりで原著論文を入手する、という手順になると思われる。何が重要な文献かは、ある量の文献を購読することで判るが、Web of Scienceなどで、被引用率を調べるといった手法もある。とにかく、最初の文献収集は、最終的に必要な量よりはるかに厖大になることは、容易に理解されると思う。Web of Scienceで被引用率が高かったからといって、自分にとって、それが重要でないなら、役に立たないから、そうした手法が必ずしも確実だとはいえない。結果、必然的に、かなりのムダな資料を集めることになるだろう。
だが、いくらクラウドが大容量でも、ムダな論文まで格納することはない。
というより、けしてMendeleyのクラウドスペースは厖大とはいえないのだ。
Mendeleyから提供される1GBのうち、半分は共同作業用で、個人スペースは半分の500MBである。500MBのクラウドを無償で提供してくれるいっても、画像添付した文献だとカサが張るので、平均500KBとして、200タイトルしか格納できないことになる。とても無尽蔵とはいかない(アップグレードの付加課金により拡充は可能)。筆者が聞いたところでは、平均的な医系の研究者がクラウドに貯める文献は(主にPDFの場合)、700MBから1GBだという。
だから、整理の意味もふくめて、一次資料と二次資料を区別して、読むべき一次資料のみPDFでMendeleyに取り込むといった工夫が必要だろう。MendeleyではフォルダごとにWeb版との同期が取れるので、こうした小技が利く。
説明には省いたが、「Tools」>「sOptionsには「Watched Folder」という、特定のPC内のサブフォルダに新しいファイルが格納されたら、監視していて、それをMendeleyに自動的に取り込む機能もあるのだ。
(むろん、必要な原著論文は、別途、電子ジャーナルなり、文献複写なりで取り寄せてキチンと購読するわけである)


そこで――、
先に述べた「ウェブインポーター」を使う。
ツールバーにある「Save to Mendeley」をクリックする。
すると、自動的に下図のように、ポップアップウィンドウが開く。
Mendeleyで特有の「Tag」は付されていないので、ここで入力しておく。


ここでは、研究テーマのキーワードでもある「idiotypic network(イディオタイプネットワーク)」を「Tag」として入力しておく。
(ついでながら、この架空の研究テーマは、1984年度のノーベル賞受賞者であるNiels K. Jerne の唱えた「イディオタイプネットワーク仮説」をメインにしている。免疫学史上、きわめて重要な仮説だが、分子生物学隆盛の現在では、必ずしもこの仮説で説明せずとも免疫反応は判るので、少しオールドファッションドな学説である)

緑の「Save」ボタン押下する。


下図のように、文献が追加された緑のチェックが入り、グレイアウトする。


Web版のMendeleyに移り、「My Library」タブの「All Documents」をクリックすれば、追加された文献が表示されている。


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 文献の追加(デスクトップ版)

次に、デスクトップ版(つまり、PC上のクライアントソフト)でのMendeleyに、文献を追加する方法について記す。

ここでは、あらかじめ、HDD内にすでにダウンロードしたPDFファイルがある、という前提で進める。
デフォルトのドキュメントフォルダに、「竹森利忠001.pdf」という名で、竹森、笹月両氏の「免疫群分野におけるノーベル賞史」という文献のPDFファイルが格納されている。「綜合臨床」誌、57巻1号 pp.14 -18(2008)に掲載された文献である。
筆者の所属する環境では、Medical Onlineという医系国内学術誌のサイトが披見でき、当該誌もここから無料でダウンロード可能なので、そこで落としてきたものだ。

これを、下図のように、フォルダをエクスプローラで表示し、Mendeleyを並べておき、該当ファイルを画面中央にドラッグ&ドロップする。


ちなみに、下図が、アクロバットリーダで見た、PDFファイルである。


こうして追加した文献だが、やはりTagは付加されないので、それは、Mendeley側で補っておく。
手作業=マニュアル入力となるが、先々の効率を考えると、地道に、そのつど、やっておいた方がよい。
(Mendeleyでは、Tagとは、文献の整理や分類上、必要な見出しを意味する)

下図のように、「Tags」項目をクリックして(編集モードになる)、マニュアル入力する。


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■ デスクトップ版とWeb版を同期する


集めた文献に、いつ、どこからでもアクセスできるのが、Mendeleyの目玉でもある。
自宅のPCと学内の共有PCやiPhone、またWeb版など、いくつもの異なるデバイスからアクセスするたびごとに、同じデータが参照できるのが望ましい。特にデスクトップ版でのデータとWeb版のデータが常に同じであることが研究にとっては要ともいえよう。
そのためには、デスクトップ版とWeb版との同期を取ることが必要となる。

実をいうと、デスクトップ版Mendeleyを起動した時点で、同期は取られている

だが、見逃しやすい点だが、「デスクトップ版Mendeleyを終了させた時点では、自動的同期はされない」のである。
同期を意図的に図るには、以下の手順が要る。

デスクトップ版のツールバーのメニューの「Sync」をクリックする(下図)。
これで、Web版との同期が取れる。
(むろん、PCがインターネットに接続していることが前提である)


しかしながら先述したように、必ずしも、デスクトップ版Mendeleyに集めた全ての文献、特にPDFをクラウドに同期を取って転送するのもムダであろう。本当に必要な文献だけ、同期させればよいのだ。
手順としては、PDF版の資料は、デスクトップ版Mendeleyでドラッグ&ドロップして格納するから、同期を取るとしたら、デスクトップ版MendeleyからWeb版へ、ということになる。
デスクトップ版Mendeleyに集めた全ての文献が必要となるわけではない、としたら、その分の同期は不要である。

そのためには、同期を取る特定のフォルダを指定して、PDFの同期を取ればよい。
デスクトップ版Mendeleyで、PDFの同期方法を指定するには――、

「My Library」画面で、「All Documents」を指定する。
そして、中央の「Edit Settings」ボタン押下する(下図)。


現時点では、「Synchronaization options」のみ指定し設定できる。
デフォルトでは、その中の「For my entire library(=全フォルダ)」が初期設定なので、必要なファイルは、「My publication」なり、別なフォルダをクリエイトして、それを指定し、そこだけ同期することが出来る。


最後に画面右下の「Save & sync」をクリックする。
これで、設定の保存と同期が実施される。


この間に、もし、別な画面やWeb版で作業していたら、それが同期される(下図)。


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■ ライブラリとPDFの管理



 ライブラリの管理

Mendeleyは、それ自体がデータベースソフトなので、その中で、データ検索その他の機能が備わっている。
以下にそれを略記する。

デスクトップ版Mendeleyで、「検索ボックス(Search)」にキーワードを入力することで、ライブラリ内の文献を検索できる。

下図では、画面右上の検索ボックスに「idiotypic network」と2つのキーワードを入れることで、該当文献のキーワード対照箇所をハイライト表示している(中央画面参照)。


また、「My Library」欄の「Create Folder」で、新規「フォルダ」を作成し、文献を分類/仕分けすることが出来る。

上図の左上では、あらたに「Idiotypic network」というフォルダを作り、そこに任意のファイルをコピーしている。こうしたフォルダとキーワードによる分類で、一度に複数の主題を重複して、該当するファイルを仕分けたり、分類を新しくしたりすることが可能になっている。
フォルダは自由に作成できるので、いくらでも新しい分類が可能である。

また、上図の左下では、「Filter(フィルタ)」機能によって、Author、キーワード、タグ、出版社などでフィルタリングが出来る。


下図では、「Idiotypic network」というフォルダを作って、そこに任意の関係文献をコピーしている。
検索窓に「idiotypic network」の検索語があるため、該当箇所がハイライト表示されているのが判る。


下図では、「Favorites(お気に入り)」フォルダに、任意のファイルをコピーしている。
その上で、上部バーの「Author(著者)」「Title(標題)」「Year(出版年)」「Published In(出版物名)」「Added(登録日)」別に並べ替えが可能である。


下図では、「Favorites」フォルダ内のファイルを、刊行年をWクリックして、出版年の昇順で並べている。


なお、文献ごとにアイコンが付されているが、それぞれに分類的な意味がある(下図参照)。

黄色いマークは「お気に入り」の文献を表す。これは、「Favorites」フォルダで表示可能となる。
緑の印は、未読文献。
赤いアクロバットマークはPDF文献。
ここには無いが、青い⇓(矢印)の下に矩形のマークは、WebからPDFファイルがダウンロード可能を意味する。


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 PDFの管理

Mendeleyには「File Organizer」というPDF管理機能がある。 これを使えば、MendeleyにインポートしたPDFファイルの保存場所を指定したり、PDFに自動的に名前を付けたりすることが出来る。
Windowsの場合)
「Tools」メニューから「Option」を選択し(下図参照)――、


「オプション」画面から――、


「File Organizer」タブを選ぶ(下図参照)。

Macの場合)
「Mendeley Desktop」メニューから「Preferences」を選択し、「File Organizer」タブを選択。


「File Organizer」の諸機能。

「Organizer my files」にチェックを入れると(デフォルトでは、全部のチェックが外れている)、指定したフォルダに、Mendeleyに登録したファイルがコピーされる(下図参照)。


「Sort files into subfolders」をチェックすると、「Organizer my files」で指定したフォルダ内に、「Author」「Title」「Year」「Journal」で分類したサブフォルダにPDFが保存される。

また、「Rename document files」をチェックすると、PDFの名前を「Author」「Title」「Year」「Journal」による各項目を使った判りやすいファイル名に自動的に変更できる。


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 PDFビューア

Mendeleyは、PDFビューアの機能も備えている。
Mendeley内でPDFを披見すると、テキストの任意の箇所をハイライト表示にしたり、注釈(Note)を付したりできる。

上部バーの「Highlight」ボタン押下して、ドラッグすると、範囲指定した箇所がハイライト表示される(下図、左下)。

上部バーの「Note」ボタン押下して、任意の箇所にカーソルを宛てると、そこに「注釈」が付けられる(下図、右中央=自分で自由に文言を入力できる)。
特に保存しなくても、PDFにこの注釈は残る(次回には、注釈箇所に黄色いフキダシが表示されるので、それをクリックすれば、書いた注釈が表示される)。


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■ 日本語論文 to Mendeley


以下は、あまり役立つかどうか、よく判らないのだが、Mendeleyに関係しているし、国はこうした試みもやっている、ということで……。

「国立情報学研究所(NII)」は、独自に機関リポジトリを構築して、CiNii(=http://ci.nii.ac.jp/)という名のデータベースサイトを公開している。

NIIが、学術情報センター(NC or NACSIS)時代のWebCatの発展的後継OPACとしてのCiNiiに、独自の付加価値を付けたものともいえる。著者やキーワードから文献検索ができる。
WebCatでは対象外だった書籍文献もリレーショナルDBの検索対象にしている。

なお、機関リポジトリとは、国際的な「オープンアクセス」の潮流から、わが国も特に大学・研究機関などで刊行された文献集や、さらに幅を広げてグレイリテラチャー(出版流通路に載らない文献や、予稿など一般には流通しない文献など、書誌も不分明で、所蔵する図書館も少ないもの)なども含め、できるかぎり一般公開していこう、という電子的アーカイヴの構想である。

オープンアクセスとは、2001年にブダペストで開かれた会議の決議「ブダペスト・オープンアクセス・イニシアティブ」に基づき、査読された学術誌に掲載された論文を、インターネットで世界中の誰もが無料で披見できることを指す。
一例として、米国では法制化によって、アメリカ国立衛生研究所(NIH)から予算を受けて行った研究の成果は刊行から1年以上たった論文のオープンアクセス化が義務づけられている。むろん現在では少数派だが、いずれ世界的潮流になるだろう。
高額化する電子ジャーナル・コングロマリットのパッケージや、国家の直営ないし補助金で経営されている大学や研究所での知の成果を、それらをまかなっている税金の主体たる国民に還元する意味合いもある。

CiNiiでの文献には、理系のもあるし、文系の文献もあるが、しかし、理系の特に医学・生命科学分野では、日本語で書かれた(というか、英語以外で書かれた)文献には、ほとんど価値がないため、それ自体の意義が不明瞭な印象がある。まあ、オープンアクセスが、あくまでも査読を経た学術誌に対象をしぼっているのに対し、これは、散逸しやすいグレイリテラチャーを含めた点が一応、評価される。

政府のいうグローバル30などのかけ声は勇ましいが、これまた、現場では疑問視されている。
グローバル30とは、日本の国公私立大学の国際競争力を高めるため、2020年までに、海外からの留学生を30万人に増加させる、文科省推進の国家的戦略プロジェクトである。だが、たとえば、現在の国立大学の医学部に、英語で海外からの留学生に高度な医療の実際を教えられる語学力をもった教官は、ごく少ないのが現状であり、受け皿が、きちんとしていないのに、30万人もの留学生を受け容れてどうするつもりだ、との意見も多く、かけ声に終わる可能性が高い(実際、2010年には、民主党政権下での例の「事業仕分け」で廃止になった案を、政財界からの圧力で予算復活させたという経緯がある)。
また、最近の動向を見ると、グローバル戦略の教科の範囲を「介護」にまで広げているようである。だが、主に旧第三世界からの留学生から来る留学生に、介護のスキルや知識を教授したとして、彼らが国に帰っても、大家族主義が残るその地で、果たしてそうした教育の成果が生かせるか疑問である。こうなると、グローバル政策そのものが、実体は、教育の名を借りた、介護政策など3K仕事の安価なアウトソーシングといった、新手の搾取にも思えてならないのが残念だ。

それで、このDBの試みも、そうした流れの一環なのかも知れないが、文献自体にあまり価値を見いだせない以上、なんだか税金のムダ使いのような気がするのも致し方ないところであろう。
とまれ、WebCatは(二次資料のOPACということで)基本無料が原則だったが、CiNiiでは、リンクされた先の一次資料の文献には、契約した大学でないと披見できない文献などもある。むしろ、一部、無料といった方がいいかも知れない。オープンアクセスの理念が泣く。

そこで(かどうか判らぬが)、最近、登場したのが、「日本語論文 to Mendeley」というサイトツールだ(下図)。
サイトはこちら>http://addon.ej-labo.jp/mendeley/top

CiNiiのデータベース内に資料(PDF)がある文献について、連動して書誌データその他を取得できる、というデータに付加価値を付ける主旨ならんか(データ自体は、別途、自分でダウンロードする必要があるので、シームレスではない)。分母となる文献データ(PDF)自体が少ないので、付加価値が付いても、あまり魅力的とは云えないが、まあ、一応、紹介しておく。


以下、内容を引用する。


「日本語論文 to Mendeley」は、日本語論文のPDFをもとにCiNiiから書誌情報を自動取得し、PDFファイルと書誌情報を同時にMendeleyにインポートできるフリーのサービスです。

クラウド型文献管理・共同研究ツールMendeley(メンデレー)をお使いの方へ朗報!

文献管理だけでなく、グループ管理やソーシャルなども豊富な無料ツールMendeley(メンデレー)。2008年の登場以来、世界で200万人近くの研究者が利用しています。英語インターフェースのサービスですが、日本語論文も管理できるため日本国内でも多くの研究者が利用しています。

MendeleyでPDFをインポートすると自動的に書誌情報が抽出されて登録されますが、日本語論文のPDFをインポートするとき、書誌情報がうまく取得できないことがあります。この場合、自分で書誌情報を入力しなおすのが非常に面倒です。「日本語論文 to Mendeley」は、日本語で記述されたPDFから自動的に書誌情報を抽出してPDFと同時にMendeleyにインポートするサービスです。Mendeleyのアカウントがあれば、どなたでも無料でご利用いただけます。


――だそうである。

試しに、CiNiiサイトから、任意の文献をダウンロードしてくる。
千葉大の「千葉医学雑誌」という和雑誌で、81巻5号(2005/10/01)のpp. 237-239 に掲載された、「心血管系のイオンチャネルに関する機能的研究」という論文のPDFである。
(特に、筆者が求める文献ではないが、具体例がないと先に進まないので、これを事例とする)
あらかじめ、このPDFファイルをダウンロードし、ドキュメントフォルダに格納しておく。 そして、上記のサイトから、右上の緑のバナー「Mendeleyでログイン」をクリックする。

下図のログイン画面となるので、ログインする。


するとPDFファイルのアップロードを求められる。


筆者は、論文作成者(複数の場合は第一著者)の名前+番号でファイル名としているので、ここでは、「中谷晴昭001.pdf」というファイル名になっている。これは、後で、訂正がきくので、そのまま、アップロードする。


すると、下図のように、アップロード画面となる。
(参照から辿って、ドキュメントフォルダになっているので、このようなパス名となる)

下の「アップロード」ボタン押下する。


タイトルが間違っているため、エラーとなるが、訂正すれば、データをCiNiiから読み取ってくれる。
(下図では、「論文タイトル」の箇所だけ、訂正している)


問題がなければ、画面右下の「Mendeleyに送信」ボタン押下する。
以下のような画面となり、Mendeleyに文献が取り込まれたメッセージが出る。


念のために、Web版Mendeleyに移り、All Documentsを見ると、ちゃんとインポートされているのが判る。


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Last Updated: 2015.02.27


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