How to read the e-books:Making of mobi for kindlePW


[戻る]





■ AozoraEpub3によるKindle向けmobiファイル作成







 ● 総目次

          INDEX

          INDEX




■ AozoraEpub3


 AozoraEpub3

前のページでChainLPで作成したePUB3ファイルをKindle向けに補整するため、設定ファイルの一部のスクリプトを(ZIP圧縮ファイルを解凍して)書き換える方法を示したが、やはり手間がかかる上にPC初心者には非常にメンドくさいので、代替案を模索した。

その結果、別なフリーウェアで、最初から、Kindle用のmobiファイルが作成でき、しかも、ChainLPと異なり、リフロー(つまり各ページがJPEG画像ではなく、テキストで成り立ち、フォントの大きさもKindle内で自由に変えられる)方式で作成できると判った。

ソフトの正式名称は「AozoraEpub3」で、下記のサイトからダウンロードできる。

http://www18.atwiki.jp/hmdev/pages/21.html

以前、試用した時には、「旧リリースヴァージョン」の「AozoraEpub3-1.0.7u1.zip」を落として、それは使い勝手がよくなかった(それで、しばらく放っておいたのだが、ネット上の情報を読んで、考え直し、新ヴァージョンを試して、これに決めたのである)。
ここは、「リリース前だけど多分安定ヴァージョン」の「AozoraEpub3-1.1.0b32.zip」を選択して落とす。半年くらいの差だが、その差は歴然と大きい。

中味は(解凍すると、いろんなファイルが展開されるが)、実行ファイルに相当するのが、「AozoraEpub3.jar」であることから判るように、これは「Java言語」によるプログラム(Javaアプリ)である。
Javaアプリは、Java環境で動作するので、「Javaの最新ヴァージョン」をあらかじめインストールしておく必要がある。上記のサイトに、そうしたリンク先も記してあるので、それに従って環境を最新に整えておく。

解凍したフォルダには、先にKindlePW用に落とした、「kindlegen.exe」も必要なので、これもコピーして格納しておく(「kindlegen.exe」ファイルだけでよい)。用意はそれで充分である。

解凍するだけで使える反面、実行用のアイコンなど、デスクトップに作られないので、右クリックしてショートカットキーを作り、デスクトップにコピーしておけば、以後、簡単に使えるだろう。
出来れば、電書作成やリーダーに関するアプリは、1つの新規フォルダを作成して、そこに全て、ショートカットキーなどを集めておくと便利だ。
あるいは、デスクトップ上にランチャーソフトを置いて、そこに登録してもよい。
とにかく、こうした自分でアイコンをデスクトップに作らないような小物アプリは、なんらかの方法で判るようにしておかないと、しばらく経てば、どこに実行ファイルがあるのかすら忘れてしまうことがよくあるので、毎日使うものでもないから、それなりの工夫は必要だろう。

「AozoraEpub3.jar」をクリックすると(またはショートカットキーをクリックすると)、次のような画面が起動する。

AozoraEpub3


では、各タブ画面などについて、述べてみよう。
(実際には、ほとんどデフォルトで使って問題ない)。

このページのトップに戻る

 AozoraEpub3の環境設定


まず、チェックしておくべきは、「縦書き」だろう。
よく憶えていないが、デフォルトでそうなっていた気がするが(いじくり倒しているので、最初期の画面など、憶えていないのである(笑))、ここはもし違っていたら、チェックしておく(下図参照)。

AozoraEpub3


次に、Kindle用に作成するのであれば、画面右端上の「端末設定」をクリックし、ドロップダウンメニューから「Kindle PW」を選ぶ。
これで、出力ファイルの「拡張子」が「.mobi」に変わる。
(ちなみに、Kindleを選択するとmobiに、kobo glo/touch/miniだとkpub.epubに、Sony Readerだとepubの拡張子となる)

AozoraEpub3


なお、その2つ下の「入力文字コード」の「MS932」とは「Shift-JIS」のことである。

実際には、MS932=シフトJISではないのだが、ほぼ同じだと考えて間違いはない。
通常は、デフォルトでいいが、もし、エディタなどで任意の新規テキストを作成した場合などは、WZなら「文書情報」とか「プロパティ」または秀丸などでは「エンコードの種類」などを開いて、文字コードを確認しておく。
秀丸などは、デフォルトが「S-JIS」になっていると思うが、筆者が使っているWZ Editorでは、「UTF-8」がデフォルトだから、そういう場合はWZ8なら、ファイル>プロパティ>文字コード>シフトJISでOKし、文字コードを変更し、上書き保存しておく。少し前のヴァージョンだと、WZでこれをやると文字化けしていたが、ver7以後は大丈夫だと思う。
秀丸では、ファイル>エンコードの種類>(任意の文字コード)>エンコードの切り替え画面が出るから、そこで、「内容を維持したまま適用」を選べば、大体、文字化けしないでコード変換してくれる。

ふだんは、エディタを使っていても、あまり文字コードなど気にしないのが普通だろう。
だが、こういう文字列をデータ処理する場合は、文字コードを誤ると、ファイル変換した結果がメチャクチャになることも多いので、気をつけたい。
ふだん気にならないのは、エディタ側が吸収(読み込みの際に自動判別)してくれているからであって、本当は、ネットからコピペしたり、ダウンロードした文字列の文字コードが、どんなコードになっているかは、結構、重要な問題なのだ。最近のエディタは賢いので、主にデフォルトで使っている文字コードに変換して表示してくれているだけである。
ファイル変換作業とは、特定の文字列の集積体を丸ごと変換するのだから、文字コードは重要だ。
もし、プロパティ(テキスト情報)やエンコードの種類を見て、異なる文字コードだった場合は、あらかじめエディタの機能で、エンコードし直すか、または、AozoraEpub3側で「MS932(=Sift-JIS)」と「UTF-8」のどちらかを選べるので、そっちで変換しておく。


さて、「AozoraEpub3」はタブごとに機能設定が分かれているので、順に見ていく。
最初の画面は、「変換」タブだったが、次は「画像1」タブである(下図参照)。
Kindleはkoboとは設計思想が異なり、画面一杯に取っても見切れるといったことがないため、ほとんどデフォルト値でよい。これらの値は、最初の「端末設定」で機種を変更すると、連動して変わる。

AozoraEpub3


次の画面は「画像2」タブである(下図参照)。
これもデフォルトで問題ない。

AozoraEpub3


次は、「詳細設定」タブである(下図参照)。
これも、ほとんどデフォルト値でよい。
ただ、「自動縦中横(たてちゅうよこ)」は「有効」にして、「3桁」、「!? 1文字」にチェックを入れておく。
通常は2桁でよいと思うが1桁か3桁か二者択一なので、3桁を選ぶ。
これは、縦書きの際に、半角(時には全角)数字や「!?」などを、組み版において、そのままでは横倒しや2文字分になるのを、2桁ないし3桁までは全角と同じように縦書き表示にして、さらに1文字分スペースに数字や「!?」を横に並べる仕組みのことである。3桁までの設定が可能なので、「175」cmや行末の「!!!」なども1文字スペースに収められる。
何げない仕組みだが、いざ見た目で、「縦中横」が設定されていないと、小説などでは、非常に気に障る。特に最近の若い人の作品は感嘆符を多用するため、こうしておかないと、ひどく見苦しく見える。
少なくとも、筆者はそうである。折角なので、設定しておいて損はない。

AozoraEpub3


次は、「AozoraEpub3」では特にタブを1画面割いて、「目次設定」タブにしている。
筆者は、「目次抽出」は「見出し」と「中見出し」にチェックを入れている。また、「数字のみ」の章題の作品もあるので(事例として出した拙作「だるまさんがころんだ症候群」などがそうである)、「数字のみ」にもチェックを入れている。このあたりは、臨機応変に、対象タイトルがどうなっているかによって判断されたい。

これらの機能は、ChainLPでは、自動的に、行頭が「第〜」から始まる文字列を「見出し」として取得し、「目次」に組み入れていた。それと似た発想である。

ただ――、

AozoraEpub3


下図のように、「目次抽出」の「その他のパターン」で、半角・全角の数字および漢数字などから始まる文字列も取得できるようになっている。
これは、対象となるコンテンツ別に、選択すればよいだろう。

AozoraEpub3


筆者は、あらかじめ、WZエディタの置換機能で――、
編集>変換>数字・英字・カタカナを全角に変換 を選び、変換している。
ネット上のノベルなどは特にそうであるが、普通の販売されている小説などでも、見落としはあるので、一括置換しておくに越したことはない。
さらに、エディタの「正規表現」を使って「^第」を検索文字列にして、置換文字列を「□□□第」のように「字下げ」している(「^」は行頭を示す正規表現で、「□」は便宜上、全角スペースを表す)。
こうしておけば、大体、ChainLPでも、AozoraEpub3でも、その文字列は「見出し」だと自動判別して目次に取得してくれる。「第〜」の後は、アラビア数字でも漢数字でも構わない。

注) ただし、こういった大雑把な一括置換の後は、必ず検索機能で結果を確認すること。
「第一に言えることは〜」などといったイレギュラーな表現が行頭に来ていたりするので、そうすると、正規表現(レギュラーエクスプレッション)は、バカ正直にそれも変換してしまい、アウトになるからである。


このページのトップに戻る

 AozoraEpub3でのePUB3作成


さて、設定が終わったら、いよいよePUB3ファイル作成となる。
これも、何も面倒なことは不用で、下図のように、あらかじめ格納していたテキストファイルと、あれば、画像ファイルを入れたフォルダをコンピュータからエクスプローラで開き、「AozoraEpub3」画面を並べておき、テキストファイルにカーソルを宛てて、「AozoraEpub3」の下部の欄にドラッグする(下図参照)。
「AozoraEpub3」で「ここにドラッグ&ドロップまたは〜」と書いてあるので、間違えようはないだろう。

AozoraEpub3


すると「変換前確認」画面となる(下図参照)。
一応、チェックされたい。

「メタデータ設定」で、表題その他が設定される。
これは、表面上は判らなくても、Kindleなどのデバイスの内部で、そのように認識されるので、「ふりがな」なども手を抜かない方がよい。検索対象となる(はず)だからだ。

表題と著者は(事前に設定項目にあるから)自動取得されるが、むろん、改変も可能である。
また、表題と著者の「ふりがな」以外に、「発行」項目なども任意で入力する(しなくてもよいが、検索文字対象となるはずだから、まとめて同じ版元の本などを検索する時など、便利かと思われる)。

AozoraEpub3


こうした事前処理をすませたものが、下図である(赤下線部参照)。

また、下欄に、「目次」が「自動設定」される。
ここは、ChainLPとは異なり、この時点での再設定や修正が利かない。せいぜい、チェックボックスのチェックを外すことで、本来、「見出し」ではない文字列を削除するだけが精一杯だ。
もし、テキスト側に不備があって、大幅に修正を余儀なくされるような場合には、作業を中断して、テキストをもう一度、見直し、そちらに修正を加えた方がいいだろう。多少、面倒でも、結果が大きく違ってくるので、目次設定はおろそかにしない方がよい。

AozoraEpub3


なお、表紙や挿絵の画像だが、ePUB3化では、ChainLPもそうだったが、グレースケール(モノクロ)で色要素をトバした画像であっても、内部変換では、あまりキレイに出力されない。 しかし、Kindleでは、ChainLPでもAozoraEpub3でも、わりとキレイに出力される。どういう違いか判らないが、美点といえよう。
AozoraEpub3では、画像の幅や高さを画面幅に合わせることが出来る。右端(画像下)の「←→」印などがそれである。

だが、筆者は、あらかじめ、Photoshopを使って、JPEG画像を画像解像度「600x900」程度のピクセルで揃えてグレースケール化しており、色調補整で、自動レベル補整と自動コントラストをかけた後、さらに「明るさ・コントラスト」で色調を手作業で補整している。なるべく白っぽい画像を選んで、ハイライトでトバしている。いくら見た目がキレイな画像でも、モノクロ2値では、粗いグレー部分が薄汚れた感じになるので、とにかくハイライトでトバし、白っぽいほどキレイに変換される。


こうした前処理が終われば、「変換実行」ボタンを押下する。
(なお、この画面では、上の画像と違って、試しに「画像の幅に拡大」にしている)

AozoraEpub3


すると数瞬で作業は終了する。
その間に、下図のように作業過程がパーセンテージで示されるが、とにかく驚くほど速い。
ChainLPで作成すると、まず、テキストをJPEG画像に変換し、それをePUB3変換するので、どうしても遅くなるのだが、「AozoraEpub3」では、本当に数瞬で終わる。

AozoraEpub3


下図は、エクスプローラで、フォルダを開いたところである。
デフォルト設定だと、元テキストと同じフォルダに格納される。

よく判らないが、ePUB3ファイルとmobiファイルの2つが出力されている。
Kindleに必要なのは、mobiファイルだけなので、ePUB3ファイルはどうでもいいのだが、まあ、放っておく。

AozoraEpub3


下図は、FireFoxのアドオンで、ePUBリーダでファイルを見ているところである。
これは、単に、FireFoxにアドオンを入れて、エクスプローラの画面からドラッグすれば、表示される。
他にも、Chromeが、やはりアドオンアプリでePUBリーダに対応しているが、操作がFFほど簡単ではないので、筆者はドラッグだけで表示されるFFの方で動作確認をしている。

左ペインに目次が表示されている。
本文も横書き表示なのは、テキストのリフロー方式だからで、実際にKindlePWに転送すれば、縦書き表示になる。

FireFoxにアドオンを追加するには、デフォルトのGoogle検索窓に「firefox adon epub reader」とキーワードを放り込んでやれば、アドオンのePUBリーダーサイトがヒットするので、「+Add to FireFox」ボタン押下してやれば、自動的にアドオンがインストールされる。
mobiファイルのリーダは、「Sumatra PDF」というのがあるが、残念ながら、今のところ目次機能に対応していない。目次設定が生きているかどうかは、ePUBで動作確認するしかない。

動作確認がすんだら、すでに記述した方法で、エクスプローラを2つ立ち上げて、格納フォルダから、KindlePWの「documents」フォルダに転送する。

AozoraEpub3


このページのトップに戻る


以上で、「AozoraEpub3」を使ったKindle用mobiファイルの作成は完了である。

以下は、雑談となる。関心がなければ、トバシてもよい。


「AozoraEpub3」はよく出来たフリーウェアだが、このソフトを使ってkobo用のePUB3ファイルを作成すると、目次設定が、kobo本体の目次機能とは別個に作られてしまい、kobo本体の目次機能が働かない。
目次設定に必要なファイルは入っていることが判っているので、工夫次第で、どうにかなるだろうことも判るのだが、現時点で筆者には、これに関する知識が足りないため、今のところそれを解消する最適な方法が見つからないのだ。

ePUB3の仕様(OPF=Open Package Format)などがネット上にあるが、筆者にはギリシャ語である(笑)。
目次に関する箇所は、たぶん、ePUB3ファイルをZIPとして解凍した際に見られる「toc.ncx」ファイルに記述されていて、それが「package.opf」や「matadata.opf」ファイル内のどこかのスクリプトで規定されていると思われるが、階層構造の理解(相対パス)やファイルとスクリプト内容とが、相互にどう関連しているのか、肝心な点が判らないので、手も足も出ない。
「toc」とは、多分「Table Of Contens」、「nox」とは「Navigation Control」に関するXMLないしXHTMLファイルのことだろうが、筆者には、XMLもXHTMLも、チンプンカンプンだ。未だにエディタで手打ちでHTMLを作成しているオールドファッションドなユーザなので、最新のXHTMLやHTML5の仕様など、知らない言語の文法書並みに判らない。
OPF文書はver2までなら、日本語版がネット上にあるが、見ても判らんし、ver2だとePUB3には未対応のはずなので、読解したところで、意味がない。かといって、原語のOPFを辞書片手で読むなど、そんな苦労をしてまで、電書作成するのは、およそ趣味の範囲を超えている。

筆者は、たとえば創作や趣味において、それがどうしても必要ならば、外国文献の英文翻訳でも、HTML文法やcssの独学でも、多少の苦労は厭わないが、これはその範囲外だと思うし、勉強したところで、結局のところ、身につかないような気がする。
それよりは、マクロと同じで、アリモノを応用して使うのが、凡庸なユーザには向いている。ePUB3の仕様の理解、これは、プログラミングと同じく、ヘヴィユーザ向けの学習内容だと思しい。サンデープログラマーはいるだろうが、筆者は、およそ文法と名の付くものがキライだから、プログラミングは、たとえPerl やPHPなどスクリプト言語であっても学習したくない。かろうじて、正規表現は、かつてはSED 、今はエディタの置換機能などで利用可能なので、どうにか独学したが、1行以上のスクリプトは苦手である。
むろん、売り物になる、キチンとした電書を作成するユーザなら、こうした学習も必要かも知れないが、筆者は、とりあえず、自分の手持ちの論理資源を使って、自分が読むためだけの電書が作成できれば、それでいいのだ。余計な苦労は、だから、したくないのである。
将来的に、自分の作品を電書化して、Amazon のKindleストアで発売する、とかになったら、それはその時になってから考える。そういうスタンスだ。

画像ページでePUB3ファイルを作成するよりもリフロー方式の方が優れているのだが、電書リーダであるkobo本体に付属している目次機能が使えないというのは、致命的な気がする。
だが、それはこのソフトで、kobo用のePUB3ファイルを作成した場合のことで、Kindle用としては、申し分ないのだ。Kindleでは、なんら問題なく目次機能が使えるのだから、ここは「使い分け」して、koboで読む電書はChainLPで、Kindleで読む電書はAozoraEpub3で作成すれば、問題ないだろう。

koboとKindle、両方の電書リーダのデバイスを持っていて、どっちでも同じタイトルを読む、などといった酔狂なユーザは滅多にいないだろうから、早い話が、koboユーザは改造して大容量対応の32GBに拡張し、ChainLPで作成したePUB3ファイルを読む。Kindleユーザはそのまま、AozoraEpub3で軽量のリフロー方式のePUB3ファイルを変換したmobiファイルを作成すればよいのである。
プロの電書作成屋さんなら、両方に共用できるePUB3仕様とかフォーマット、それに関する知識やスキルなどが必要かも知れないが、そんなの一般ユーザとは無縁の世界だ。一般ユーザは、ただ目の前にあるものをそのまんま使う。それだけでいいだろう。

koboは改造して、メインメモリを32GBまで、さらに拡張スロットでも拡張できるのだから、ほぼ無尽蔵に大容量のタイトルも格納できるが、KindlePWのメモリは制限がある。現在リリースされているKPWは4GBのメモリだそうだが、やはりこれでも少ない。購入したタイトルだけ読むのであれば、充分かも知れないが、自炊のマンガなどを格納していけば、いずれはパンクするだろう。koboと違って、拡張用のSDを入れるスロットもないのだから、どうしようもない。
筆者は、だから、というわけでもないのだが、自炊コミックや自作小説のePUB3ファイルはChainLPで作成して、kobo gloで読み、購入した電書は、主にkobo touch とKindle PWで読んでいる(kobo gloで読みたいところだが、違う楽天アカウントで購入したので、一元化できないのである(笑))。

ついでながら――、
試作してみると、元テキストファイルで約40KBの、わりと短めのタイトルは、表紙に200KBほどの画像を付けても付けなくても、ChainLPで作成すると、大体、7.3〜7.5MBの容量となる。表紙の画像の容量が、ほとんど結果と関係ないのは、リソースとなるJPEG画像化されたページが、大体1ページ当たり50〜60KBのJPEG画像になるためだ(誤差は1ページ内の文書量に比例する)。
これはほぼ短編の場合(事例は、拙作の「だるまさんがころんだ症候群」を使っているが、これは、原稿用紙換算だと、大体60枚弱である)だが、長編作品の場合は、比例して容量はどんどん増える。
筆者の手もとには、元のテキストファイルが2.5MBという獰猛な容量の一大長編小説があるが(もちろんネット上にあった、他人の作品)、これをChainLPでePUB3ファイルを作成すると、約330MB弱の巨大容量ファイルとなる。これは極端なテキストの場合だが、自炊コミックなどは、最初っからJPEG画像だから、圧縮が利かない。1GBしか余裕がない初期KPWでは、アッという間に一杯になるだろう。

しかしながら、同じ元テキストファイルが40KBのタイトルを、AozoraEpub3で作成すると、ePUB3ファイルだと約300KB、mobiファイルでも760KBにしか、ならない。1MB超えないのだ。KindlePWの小容量のメモリでも充分、格納できる。先述した2.5MBのテキストでさえ、ePUB3ファイルで920KB、mobiファイルでも4.2MBである。いかにテキストのリフロー方式が小容量ですむか判ると思う。
KPWのメインメモリは初期リリースで2GB、最近のだと4GBだから、こんな大物を容れても、かなり余裕があるだろう。
Kindleユーザは、ChainLPよりAozoraEpub3で作成する方が断然、向いているのだ。

さらにいえば、目次機能の件がある。
AozoraEpub3で作成すると、ちゃんと、Kindle本体の目次機能(Kindleでは「移動」機能の中に、目次設定が組みこまれている)に反映されるので、その点だけとっても、Kindleユーザには、このソフトの方がよい。
ともあれ、試しに使ってみてもらいたい。

このページのトップに戻る




△ Literacy  ▲General Index
      
      Next >>




Last Updated: 2014.11.15


inserted by FC2 system